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2017-03-30

どうしてコーヒー屋をやりたいのか(1/2)

mocha201604

年始のブログ記事とかショップカードの裏面とかにこっそり記載しているのですが、
悟理道珈琲の今年最大の目標は「実店舗オープン」です。

今のところ、とりたててご報告できるような大きな動きはないのですが、
いろいろ考えたり動いたりしてる内に

「あー、これは一度どうして自分がコーヒー屋として身を立てたいのかを
ちゃんと文章にまとめておかねばならんな。」

という気がしましたので、つらつらとブログに書いておこうかと思います。
なんか迷ったときはこれを読め!未来の自分。

というわけでほぼ自分に宛てた内容なので興味のない方は読まなくて大丈夫です(笑)
でも「将来カフェやコーヒースタンドがやりたい!」って思ってる人がいたら
その方にはぜひ読んでほしいです。

 

まずはこれまでの悟理道珈琲工房の歩みをざっくりと。

ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、僕は現在普通に会社員をやりながら
休みの日を使ってコーヒー豆の焙煎やイベントでのコーヒー販売をしています。

もともとは単にコーヒーが好きで
「自分で焙煎ができたらいつでも美味しいコーヒー飲めるじゃん!」
という、なんとも軽い気持ちで師匠の教えを請うたのが約15年前。
(今考えてみてもよくあんな飛び込みのお願いで面倒見てくれたもんだと思います。)

その時は自分でお店をやるなんていう気持ちは実はあんまりありませんでした。
もっと正確に言えば「いつかはやるかもしれないけど、まだ遠い先のことかな」
という気持ちでした。

そんな感じで自宅でコーヒー豆を焙煎すること10年弱。転機は急に訪れます。

2013年(か2014年初め頃に)ひょんなことから知り合いの経営する雑貨店で
コーヒー豆を販売してもらえることに。そしたらこれが意外と売れたのね。
もちろんその雑貨店店主の販売力の高さに依存するところは大きかったのですが、
店主から「お客さんもおいしいおいしいって言って買ってくれてるよー」という
言葉を聞いてこれまでに味わったことのない嬉しい気持ちが湧いているのに気が付きました。

「自分が長年積み重ねてきた経験でお客さんを喜ばせることができる。」

接客業の経験が長いのでモノを買ってくれたお客さんが喜んでくれるのが嬉しいのは
分かっていたつもりですが、まあしょせん量販店なので常に自分自身が納得できるものを
販売してこれたわけではありません。
様々な条件で妥協や時には不本意と言ってもいい商いも経験してきました。

そんな中「自分が焙煎して味も納得しているコーヒーをお客さんに喜んでもらえた」、
この出来事が自分をコーヒー業に目覚めさせた最初のきっかけだったのだと思います。

このお店でコーヒー豆を販売していただいたのをきっかけに
イベントやマルシェにも呼んでいただけるようになり、
出店したイベントで繋がった縁でまた別のイベントにもお誘いいただいたりと、
自分の今のメイン活動であるイベント出店はそんな感じで増えていきました。

またその中でできた人との縁でありがたいことに
カフェやレストランへコーヒー豆の卸しも始めさせていただいています。
実店舗も持たない焙煎士のコーヒー豆を
雑誌でも紹介されるような人気のお店でお使いいただいているっていうのは、
もうなんというかただただ身に余る光栄なわけです。

ただねぇ、もう限界(笑)

今使っている焙煎釜はユニオンの500gの手廻しタイプ。
最近はコンスタントに卸のご注文も頂いているので、
大体毎週10釜程度は焙煎しています。
一釜焙煎するのに必要な時間は冷却作業とかを含めると約30分。
10釜だと大体5時間位必要です。これだけでも休みの日の半分以上は使います。

ここにイベント出店が重なると最大で週に20釜程焙煎する必要があります。
そうするともう休みの日だけじゃなくて、仕事から帰宅した夜も毎日焙煎。
楽しいんだけど時間の使い方としてはかなりの非効率。
ちょっとイレギュラーな用事なんかが入ってしまうともうどうにもなりません。

この状況を改善しようと思ったら焙煎機のサイズを
1kg以上にサイズアップして焙煎回数を減らすしかないんだけど、
まともに使える1kg釜って安くても80万円以上するんですよ。
しかも困ったことに自宅はオール電化なのでガスが使えません。
(手回し焙煎機はカセットコンロなので問題なし。)

そうなってくると焙煎機を買えば自宅とは別に焙煎所が必要なわけで、
それだったらコスト面を考えてもお店始めちゃったほうがいいんじゃね?
・・・っていうのがそろそろ実店舗を始めたい一つ目の理由
「現実的にそろそろキャパオーバー」です。

キャパオーバーでも現状なんとかなっているんだから、
わざわざ収入的にも不安定な独立を選ぶことはないのでは?
っていう考え方もあると思うのですが、
現状のようないっぱいいっぱいのやり方っていうのは、
いつかどこかで破綻します。

本業が破綻するのか、コーヒー業が破綻するのか、それはわかりませんが、
一番の懸念は自分自身がコーヒーを焙煎するのが嫌になってしまわないかということ。
コーヒー自体を嫌いになるということはないと思うのですが、
焙煎をちょっとでも面倒だとか思うようになったら、
まちがいなくコーヒーの味にも影響をおよぼすことになるでしょう。
結果、僕のコーヒーを選んで飲んでくれている方に迷惑をかける。
そうなってしまっては本末転倒です。

自分が納得して美味しいと思えるものをお客さんに提供する。
それを実現するためにそろそろコーヒー業一本に絞って、さらに深くコーヒーと向き合う。
そろそろそのタイミングなんじゃないかなと思っています。

まあ収入面の不安はどうやったって拭いきれませんが(笑)
真面目にやってれば結果はついてくるでしょう、たぶん!だから、きっと大丈夫!

ここまでが現実的な理由のお話なんですが、この段階まで考えると
「じゃあ実際にどういうお店を作りたいの?」っていうのを考える必要が出てきます。
理想論としての「コーヒー屋を始める意味」っていうのが、
ここから先の話になるわけですが、長くなってしまったのでその辺りはまた次回。

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