ドリップコーヒーを淹れるときに使うペーパーフィルター用のドリッパー。いまでは数えきれないほど様々な形状の物が販売されていますが、その中でも定番の三大コーヒードリッパー(メリタ・カリタ・ハリオ)についてそれぞれの長所や短所をご紹介する動画です。ぜひご覧ください。
【動画】メリタ・カリタ・ハリオの「三大定番コーヒードリッパー」 これから自宅でコーヒーを淹れてみたい方にオススメのドリッパーはどれ?【おいしいコーヒーを飲むための基礎知識】
【動画】コーヒー豆の焙煎度について詳しくなろう【おいしいコーヒーを飲むための基礎知識】
コーヒー豆は素材となるコーヒーノキの種(生豆)に熱を加えたものです。そして熱を加えた程度によって浅煎り・中煎り・深煎りに分けられます。英語表記だとさらに細かく全8段階の焙煎度で表現されます。今回の動画はそれぞれの焙煎度合いでコーヒーの味にどんな特徴が出るのかなどをご紹介しています。ぜひ、コーヒー豆選びの参考にお役立てください。
【動画】メニューに書いてあるコーヒー豆の情報について詳しくなろう【おいしいコーヒーを飲むための基礎知識】
職業柄YouTubeでコーヒー屋さんがアップしている動画を見ることがあるのですが、ある程度コーヒーに詳しい人向けの内容が多いと思ったので、これからコーヒーを楽しみたい人向けの入門書的な動画を作ってみることにしました。好評ならばシリーズ化の予定です。
第一回はコーヒー店のメニューに書いてあるコーヒー豆の情報について詳しくなろうという動画です。悟理道珈琲でも生産国の名前だけでコーヒーを選ばれる方が多い気がしているのですが、その他の情報について何が書かれているのか分かるようになると自分好みのコーヒーの味にたどり着きやすくなりますよ、という内容です。
ぜひご覧いただきお店でのコーヒー選びの参考にしてみてください。
ネルドリップに関するお知らせ
ネルドリップの提供方法とメニューでの表記についてずっと気になっていたところを変更しました。
まず変更点を挙げてしまうと・・・
・コーヒー豆ごとのペーパーもしくはネルのオススメ度合い表記の廃止
・一部コーヒー豆のネルドリップの提供廃止(主に浅煎り~中深煎りの豆)
・ネルドリップの淹れ方を一律ではなくコーヒー豆ごとに最も適すると思われる方法に変更
以上の三点になります。
続きを読む→【数量限定】NIPPA IPA 販売のお知らせ【ビール】
2024年8月10日より油伝味噌さん製造の『NIPPA IPA』の販売を開始します。
当店でもおなじみ栃木市新波(にっぱ)のNIPPA米と新波産の小麦麦芽を原材料に使った栃木県産の(もっと言えばかなり栃木市産に近い)ビールです。
IPAって人によっては飲みにくいイメージがあるかもしれませんがこちらは苦みを抑えたすっきりと飲みやすい味で、この夏の暑さにも相性のいい仕上がりになっています。
数量限定となりますのでぜひお早めにお試しください。
※IPA・・・India Pale Ale(インディアペールエール)の略称で、 18世紀末インドがイギリスの植民地だった頃、インドに滞在するイギリス人にペールエールを送るために造られたものを起源とするビールの一種。 海上輸送中に傷まないよう防腐剤の役割を持つホップを大量に投入したため、香りと苦みが強めなのが特徴。
ゴールデンウィークの営業案内
・4月27日から5月6日は休まず営業予定ですが、疲れた、もしくは焙煎が追い付かない場合5月1日は休むかもしれません。
・GW中の営業時間は12時から17時の予定ですが、街の様子を見ながら気まぐれに早めに開けたり遅めに閉めたりするかもしれません。
・GW中はナポリタンの提供はお休みさせていただきます。お昼ご飯は近隣のお店でどうぞ。
・席数が少ないので1もしくは2名でのご来店を推奨しています。
・今年は臨時で食器洗いのアルバイトを雇いましたが、コーヒー淹れたり、オーダー受けたり、会計したりは店主一人でやってますので忙しい時間帯は諸々お待たせすることがあります。
コーヒー屋って舐められてます?
毎年春になると「コーヒー屋(カフェ)を始めたいんです。どうしたらいいですか?」という問い合わせが増える。この春もすでに4~5人の方から聞かれていて若干閉口しているところである。
いい加減毎年同じ質問をされすぎて、こちらもこの質問に対する受け答えのフローチャートが出来上がってしまっているのだが、そのフローチャートに従うと次に僕はこう聞き返すことになる。「どうしてコーヒー屋(カフェ)をやりたいんですか?」と。
この先は相手の答えによってフローチャートの分岐がいろんな方向に向かっていくんだけど、残念ながら最近はフローチャートが即終了になってしまう、言い換えれば僕ではお役に立つことができないタイプの答えが返ってくることがとても多い。
いくつか例を挙げると「自分の居場所を作りたいから」「人と人が繋がるコミュニティをつくりたい」「みんなの居場所になれるような場所をつくりたい」などなどが即終了フローチャートへとつながる回答だ。こんな感じの理由でコーヒー屋を始めたいというのであれば僕としてはアドバイスできることは何もないし、場合によってはその理由なら絶対にやらない方がいいですよという提案をすることもある。
「自分の居場所を作りたいから」「人と人が繋がるコミュニティをつくりたい」「みんなの居場所になれるような場所をつくりたい」という気持ちそのものを否定するわけじゃないんだけど、それを表現するための商売としてコーヒー屋やカフェといった業態を選択することには同意できないし、もうちょっと強めに言うとこの種の返答をする方はコーヒー屋という仕事を下に見ている気がして不愉快な気持ちにすらなる。
まずなぜそうした気持ちを表現するための商売にコーヒー屋(カフェ)が不向きなのかについてだが、身も蓋もない言い方をすれば『単価が安くて回転率が生命線のコーヒー屋が「人と人が繋がるコミュニティ」や「みんなの居場所」になってしまったら回転率が悪すぎて利益なんか出るわけないじゃない』ということになる。大手企業がブランディングの一環としてコミュニティ的役割を重視したカフェを運営するのは一向に構わないんだけど、個人事業の規模で初手からそういう場所を作るのは商売として詰んでいると言わざるを得ない。
僕はお店を始める前に事業計画書を作ることを推奨しているが(作るのが当たり前なんだけど)、事業計画書には収支計画も含まれる。お店の売り上げは「客単価×客数」なので客単価が低いコーヒー屋は客数の方を増やす以外に売り上げを増やす方法は基本的にない。なのにコーヒー屋にコミュニティ的役割をイメージする人はこの大事なことすらそもそも理解していない。信じられないことだが理想の場所を作ることを是としすぎて、利益が出なければ場所なんてそもそも維持できないことまで想像が及んでいない。
もうひとつ。
なぜ先に書いた開業動機が「コーヒー屋という仕事を下に見ている」と感じるのかだが、それは肝心の商売道具であるコーヒーそのものについて開業動機の中で何ひとつ言及していないからだ。このタイプの方々に「コーヒーの勉強ってされてます?」とか「どこかコーヒー屋さんで働かれた経験は?」って聞くと面白いくらい一様に「それはこれから勉強していきたいと思ってます」という答えが返ってくる。
当たり前だけどコーヒー屋はコーヒーを消費者に提供し、その対価としてお金を頂く商売だ。まあ多少は場所代や雰囲気代がコーヒーの価格に上乗せされているかもしれないけれど、コーヒー屋をコーヒー屋たらしめているものは自らが提供するコーヒーの味でしかない。そして消費者はよりおいしいコーヒーを選んでくれる(と信じている)からもっとおいしいコーヒーを提供できるよう一釜一釜の焙煎時に頭を悩ませているわけだし、そのコーヒー豆から最良の一滴を抽出できる方法を追求している。
「自分の居場所」や「コミュニティ」を作りたいという開店動機の人はこうした見えない部分のコーヒーの難しさを全く理解していない。理解していないどころか自分が理想とする場所を作るにはコーヒーという道具を使うのが一番簡単だと無意識で思ってしまっている。なぜならそうした場所を作るのに飲食店を選ぶのであれば別にコーヒーである必然性は無いわけで、中華料理でもフランス料理でもイタリアンでもお寿司でも提供する料理の種類はなんだっていいはず。でもそうした本格的な料理を作るには経験がいるから難しい。だけどコーヒーならたいした経験がなくてもお金に換えられるレベルに到達できるはず。無意識なのかもしれないけどそう思われているように感じるから下に見られていると思うわけだ。20年以上焙煎してる僕の立場から言わせてもらえば、コーヒーの味はほんの些細な焙煎の違いで大きく変わってしまうし、抽出するときに注ぐお湯の太さが数mm違うだけで全然違う味として表出される。その微細な差がおいしいコーヒーとおいしくないコーヒーを分けるのだから簡単なものであるわけがないし、追求すればするほど奥深いと思わされる世界だ。
余談だが、最近は自家焙煎のお店でもおいしくないコーヒーを平然と出すところが増えている。一般に良く名が知られるお店でも必ずしもおいしいコーヒーを出しているとは限らない。というか名が知れてある程度規模が大きくなったお店ほど平気でおいしくないコーヒーをさもおいしいものであるかのように理屈をこねて提供している。もしかしたらコーヒー業界のこういう状況がコーヒー屋を始めたいと思う人たちの心理的なハードルを下げているのかもしれない。この状況が続けばコーヒー業界はそう遠くないうちに自らの首を絞めることになるので心当たりのあるお店には自省してほしいと切に思っている。
閑話休題。
というわけで、コーヒー屋を始めたいと思うのであればその理由の第一は「おいしいコーヒーを作りたい」であってほしいと願っているというのが正直なところだ。その理由であれば質疑応答のフローチャートはそこから細かく枝分かれしていき、場合によっては僕でもお店作りの役に立てることがあるかもしれない。実際自分が焙煎などを教えて今は自分の屋号で活動している弟子たちは程度の差はあれ最初からコーヒーという飲み物に真摯に向き合っていたし、だからこそこちらもしっかりと教えてあげたいという気持ちになれたのだと思う。
以上いろいろと書いたが、これを読んでなお自分でコーヒー屋(カフェ)を始めたいという気持ちの方は当店で開催している『コーヒー屋になりたい人向けスクール』を受講してみるのがおすすめです。
スクール受講者募集のお知らせ
「コーヒーを仕事にしたい人向けスクール」5月26日開講分の受講者募集中です。開催日程や内容、受講料金などの詳細はこちらのページからご覧ください。受講のお申し込みも詳細のページのお申し込みフォームからお願いします。定員は3名です。できれば2名以上で開催したいと思ってますので興味のある方はぜひご参加ください。
商売における世界観という付加価値について
ちょっと前に生業としてのコーヒー焙煎をやめてしまった20年来の友人とやり取りをしたときに、閉業した理由のひとつとして「個人商店もSNSで世界観を表現して付加価値をつけなきゃいけない時代になってしまって、自分はそういうのをやる気になれない」って言っていたのが印象的だった。
この発言は「個人商店の規模で世界観を表現したSNS投稿をするのは面倒」という意味ではもちろんない。彼はおそらく「コーヒーがおいしいという本質が満たされているのに、さらに世界観という付加価値をつけて消費者の共感を得ないとコーヒー豆が売れない世の中なんて馬鹿げている。」と言いたかったのだと思う。
彼と自分は20年くらい前の同時期に同じ喫茶店のコーヒーに惚れ、そこのマスターの元でコーヒーのいろはを教わった兄弟弟子であり、人生の大半をSNSが存在しない時期に過ごしてきたので彼の言いたいことはよく分かる。なんなら僕は彼以上に「自分のやっている商売に世界観という付加価値をつけて消費者の共感を得る」ことに嫌悪感を持っている人間だから。
要するに僕らは自分たちが提供するコーヒーの味以外の部分に「いいね」が付くことを求めていない。「いいね」なんて簡単に共感されてしまう部分に僕らが考えるコーヒーの価値などありはしないし、そもそも僕らが大切にしているものをもしSNS上で表現できたとして、それに対して親指でポチっとハートマークを付けられてなんとなく分かったふうにされることは屈辱ですらある。
古い考え方と言われてしまえばそれまでだが、SNSにあまた投稿されている大人数に共感される分かりやすくカッコよい世界観など僕らは興味がないし、本来は本人しか理解できないはずの職人としての職能すらもSNS上に表出してしまえば「どれだけ『いいね』がついてバズったか」というキャッチーな数値に置き換えられ一瞬で消費されてしまう。そんな世界でコーヒー屋という商売を続けるためは本来の自分自身のほかに、どうしてもSNSで受ける世界観を持った半ば偽りの自分を演じなければならないし、そんなことを長く続けられるわけがない。
SNSで世界観を表現することがマーケティングの大きな要素となってしまった現代でスパッと商売としてのコーヒーを諦めてしまった友人の行動は僕から見ればカッコいいし、それ以上にうらやましくもある。が、アンチテーゼというわけではないが僕はもうちょっと潮流に逆らってコーヒー屋を続けるというあがきをしてみたい。幸運なことに悟理道珈琲にはここに書いたような考えを理解し許容してくれるお客さんが居てくれているように感じているから。