2020年7月の収支報告(動画バージョンもあります)
2020年7月の収支報告です。
まずは数字から。
- 売上:536,850円(店売・卸の合計)
- 前年比:76.8%(雑収入を含まずに算出)
- 仕入合計:70,293円(原価率13.1%)
- 経費合計:188,952円
- 営業利益:277,605円(雑収入を含まずに算出)
- 営業日数:24日
- 一日あたりの売上高:22,368円 (雑収入を含まずに算出)
売上自体は536,850円とこのご時世を考えればそんなに悪くないのですが、この数字にはスクール受講料100,000円が含まれるため、日々の店頭販売データだけを見ると低調な数字でした。
昨年比も76.8%と低い水準ですが、昨年2019年は7月に『仙台コーヒーフェスティバル』に二日間出店していたのと店内で開催した個展の売上を計上していたためそこまで比較して参考になる数字とは言えなさそうです。営業利益で見ると2019年7月は109,414円、2020年は277,605円と今年のほうが圧倒的に利益が出ているので問題はないと思います。
イベントに出ると売上は増えるけど経費は増える。イベントがなければ売上は落ちるけど経費も減る。バランスの問題ですが営業利益を増やすことが最大の目標だということは忘れないようにしないといけません。
ちょっと話が脇道に逸れますが、ビジネス系のテレビ番組や雑誌で新進気鋭の企業が紹介される時に『昨年度売上○○億円を達成しました』『うわぁー、すごーい!!』って流れがあります。あれを見るたびに「仮に売上が1億円だったとしても宣伝広告費に1億2千万円投資してるとか全然ありそうだなぁ」と思うんですよ。あの手の紹介は売上ではなく営業利益を発表した方が嘘くさくなくていいと思います。
それはともかく個人事業主にとっては営業利益がサラリーマンのお給料に該当するので、毎度言っていますが商品の質を下げないで原価率を下げるという考え方がとても重要なのは間違いありません。スクールは参加者さえいればイベント並みの収入を得ることができる上に経費があまり発生しないので原価率をグッと押し下げます。7月はその結果として原価率13.1%という驚異の数字になりました。
ちなみに上記の考え方は僕みたいにほぼ一人でお店を運営している人の考え方で、常時人を雇っている個人事業主の場合は原価率を下げることを念頭に置きつつ一人雇ったら最低でも二人分の人件費以上は売上をアップさせていかなければいけません。そうしないと「人件費がムダなんだよなぁ」という考えてもしょうがない負のジレンマに陥ることになります。
閑話休題
さて観光地である栃木市は6月下旬から少しずつ観光客が戻りつつありますが、コロナ以前と較べると比較するのが悲しくなるくらいまだまだ人通りは少ない状況です。まあおそらく最短でも今年いっぱい、長ければ来年中頃くらいまではこの状況が続くものと覚悟したほうが良さそうです。
観光客が来なければ来客数は当然減るわけで、それに抗う策は考えなければなりません。経営学的な視点で言えば客数が減って売上を維持(もしくは増やす)ためには客単価を上げるのがセオリーです。
というわけで時間に余裕が出たこのタイミングで客単価を上げるため、このタイミングで昔からやりたかった「ネルドリップ」を導入することにしました。マンデリン極深煎りを使って淹れる「デミタス」は60mlで850円という飲み物としては半端ない高価格に設定してあります。この価格でも飲んでもらえるようなコーヒー屋としての信頼度はオープンしてからの2年半で得ることができたという判断のもとでのデミタスです。
観光客というある意味自分が努力しなくても売上につながる要素がない場合、自家焙煎のコーヒー屋としてやるべきことは「コーヒーの専門性を高めて、コーヒーが好きな人にわざわざ足を運んでもらえるようなお店にする」ことだと思います。
ネルドリップは昔の喫茶店時代には隆盛を誇りましたが、今の時代では絶滅危惧種です。最近のコーヒー屋さんがネルドリップをしないのには「深煎り」から「浅煎り」へというコーヒーのトレンドの変化が大きな理由としてあげられると思います。昔ながらの喫茶店の味を継承する悟理道珈琲工房としては他店と大きな差を表現することができるテクニックの1つとしてネルドリップを捉えているので、ぜひコーヒー好きの方には遠くからでもきてもらいたいと思っています。そのくらいの価値はあるという自信を持って提供しています。
ちょっといつもとは毛色の違う感じとなってしまいましたが、7月の収支報告は以上です。8月分は開業以来初めての長期休暇を取った都合上、データとしての価値があまりないため収支報告はお休みさせていただきます。その代わり動画の方でなにか企画しようと思っているのでお楽しみに。