これからがスタート
本日、栃木市蔵の街大通りに「日光珈琲 蔵ノ街」さんがプレオープンしました。これで「栃木コーヒータウン計画」最初のメンバー6店舗が揃います。「栃木コーヒータウン計画」については、あせらずじっくりやっていこうと考えているので早急になにかをやるってわけではないのですが、とりあえず8月か9月には1つ目の成果をお見せするべく参加店舗のみんなで協力しながら動いています。
実は最近いろんな方に「近くに同じようなお店が増えちゃって大変ね~」って言われることが多くて正直辟易しています。そしてその手の言葉を投げかけてくる人に自分の思いを真面目にぶつけても理解してもらえない可能性が高いので半笑いでヘラヘラするようにしているのですが、ブログを読んでくださっている方にはちゃんと伝わる可能性が高いと思うのでちょっと真面目に書いておきます。
普通に考えて競合他社が近くにできると既存店はお客が減るようなイメージはあると思います。実際コンビニとかスーパーマーケットなんか取り扱っているものが一般的な業種についてはそうなのかもしれないです。
ところがある程度専門性が高い業種になると近くに競合他社ができることで既存店の売上が増える場合もあります。例えば自分がコーヒー屋になる前にいたインテリア小売店などはまさにこれです。昔はT社のすぐ近くにN社が出店するというスタイルがいろんな地方都市で見受けられました。最近ではT社が比較的大きめの都市でI社のすぐ隣に出店するという戦略をとっています。
どうしてこのような出店形式が成り立つのかと言うと、一見取り扱うものが同じに見える同業他社でも実はそれぞれの会社で販売するモノや価格帯が大きく違うからです。インテリアの場合はデザイン性と価格帯が違う2店舗が近くにあることでお客様はそれぞれのお店を見比べて自分に合った商品を選ぶことができるようになります。またそうした利便性の高さにより単一で出店しているよりも多数のお客様の来店を見込むことができます。
僕はコーヒー店に関しても同様のことが言えると考えています。一口にコーヒーと言っても取り扱う豆の種類や内装、雰囲気、販売スタイルは様々です。沢山のお店が近くに集まることで単純に飲み歩きができるのはもちろん、自分に合ったお店を選ぶ事が可能になります。
また「清澄白河」や「池尻大橋」の実例からも分かる通り、歩いていける範囲に「コーヒーに特徴があり」「それぞれの個性でお客様を呼ぶことができる」お店が密集している例というのは実はそう多くはありません。栃木県内で言えば宇都宮市はコーヒー専門店が続々とできていますが、基本的に車移動を要求されるので飲み歩きするのは難しいと思います。それ故に各店が協力して何かをするというのも現実的ではありません。一方栃木市では蔵の街大通りを歩いていれば(キャリオカコーヒーさんはみつわ通りですが)様々な個性や特徴を持ったコーヒーを気軽に飲み歩くことが可能です。これは各店舗にとって大きなメリットでしかありません。
というわけで僕は冒頭の「近くに同じようなお店が増えちゃって大変ね~」って意見には全くもって同意いたしかねます。
一方、メリットもあればデメリット(というか課題)も存在します。それは「平日の集客」です。栃木市内は観光地ということもあり週末には本当にたくさんの観光客が訪れます。多分県内の他のエリアの人が想像している以上に毎週末は賑わっています。ところが観光客のいない平日の市内中心部は実に静かなものです。
解決策としてはもっと地元の人に市内中心部に来てもらうことしかないと思うのですが、こればっかりは時間をかけてゆっくりと地元の人のニーズに合ったまちづくりをしていくしかないと思います。取っ掛かりは何でもいいのですが例えば「コーヒー」が切り口になって、いろんなお店を誘致することができれば徐々に地元の人の足も向いてくるのではないかと考えています。僕は「現代の宿場町」をイメージして活動していきたいと考えていますが、要は「商店街の復活」が街に賑わいを取り戻す確実かつ唯一の手段だと思います。
様々なイベントで街に人を呼ぶことも大切です。でもそれは一過性のものでしかありません。10年・20年・100年単位で街の機能を維持していくことを考えると、何年でも時間をかけて継続性のあるまちづくりをしていくことが重要だと考えます。
まあこの辺のことは今の僕がいくら言っても大言壮語ですね(笑)。なので何年後になるか分かりませんが、なにかできるいろんな力が蓄えられたら改めて実現可能な話として書きたいと思います。
そうそう、最後になりましたが「栃木コーヒータウン計画」に参加する6店舗が並び立ったいま「悟理道珈琲工房」に関して言えばこれから更に「コーヒーに特化したお店」にシフトしていくべくいろいろなことを計画中です。大枠ではそんなに変わらないと思いますが細かいところでここでしか触れられない専門性をお見せできればいいなと考えています。お楽しみに。