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2016-03-15

SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁 レビュー(ネタバレなし)

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「シャーロック・ホームズ」シリーズといえば、コナン・ドイル原作の探偵小説。
自分は中学生の頃に熱中して読み漁りました。
今考えるとトリックもロジックも稚拙なんだけど、
霧深いロンドンの風景や登場人物の息遣いが想像できるような雰囲気に
魅了されていたのだと思います。

現代を舞台に再構築されたシャーロック・ホームズ

その小説版を忠実に映像化されたのが英国グラナダTV製作、ジェレミー・ブレット主演の
『シャーロック・ホームズの冒険』シリーズ。
こちらも子供のころ夢中になって見たものです。
露口茂の吹き替えが雰囲気にピッタリで最高でした。

そしてそのジェレミー・ブレット版から20数年の時を超え、
BBCが世に放った新しいシャーロック・ホームズ。
それがベネディクト・カンバーバッチ主演の『SHERLOCK』シリーズです。

カンバーバッチ版のSHERLOCKは原作の内容をベースにしながらも
舞台を現代に置き換えることで全く新しく魅力的なシャーロック・ホームズとなっています。
事件の内容は原作ベースなので、原作や旧作のドラマを知っている人には
ある程度結末は分かってしまうのですが、楽しむべきは原作同様そこではなく、
シャーロックとワトソンを中心に繰り広げられる人間劇です。
もちろんホームズの宿敵「モリアーティ」も登場するのですが、
これがまた敵役にもかかわらずとってもセクシーな狂気を感じて魅力的。

ドラマ版はこれまで各3回の3シリーズ全9話が公開されています。
僕はもちろん全部観てます。

今回の舞台はあえてのヴィクトリア朝・・・なのですが

で、今回の映画「SHEROCK シャーロック 忌まわしき花嫁」ですが、
こちらはせっかく現代劇に置き換えたホームズの物語を、
あえて原作のホームズが生きた1895年のヴィクトリア朝に戻して描かれます。

・・・っていう事前情報だったのですが、実はこれ半分ホントで半分ウソ(笑)
詳細はネタバレになるので書きませんが、この映画は実際のところ「特別編」ではなく、
シーズン3.5といった方が正しい位置づけです。
(今思えばこのドラマ、シーズン2から3の間にも2.5のミニドラマ作ってたんだよな。)

というわけでこの映画、SHERLOCKのテレビシリーズを見ずに、
単体の独立した作品として観に行ってしまうと間違いなく何が何だかわかりません。
正直映画を見てる途中に「この内容ならテレビでやったら良かったのに」と思いました。

もし今からこの映画を見ようかなと思っている人でテレビシリーズを見ていない人は
事前にDVDなどで予習してから行きましょう!全9話なので結構何とかなるはず。

逆にテレビシリーズを欠かさず見ていて、シーズン4も間違いなく見る予定の方は
この映画は絶対観に行きましょう!
見ておかないとシーズン4冒頭で置いてけぼりになること間違いなしです。

マニア向けの小ネタはふんだんに盛り込まれています

映画のタイトルになっている「忌まわしき花嫁」事件ですが、
実はこの事件、原作ではもともと「マスグレーヴ家の儀式」という話の冒頭に登場する
「語られざる事件」(ワトソンが回想的に口にするものの詳細が描かれることがない事件)
の一つなのでほとんど謎解き自体には意味はありません。

先にも書きましたが、このドラマはホームズと彼を取り巻く人間たちとの関係性に
主眼が置かれているので、この映画もどちらかといえばそこが重要になってきます。

あとはまあ、シャーロック・ホームズが好きになると
どうしてもやっぱり細部にこだわりたくなってしまうもので、
ドラマの制作陣もこのドラマに携わったことで
すっかりシャーロキアン(シャーロックホームズの熱狂的愛好者のこと)に
なってしまっているのを画面の細部へのこだわりから感じ取ることができます。
もしかしたら一番楽しめるのはそこなのかもしれません。

というわけでこの映画は「シャーロック・ホームズ」が好き、
かつ「SHERLOCK」が好きな人だけにオススメの映画となっています。
個人的には大満足でしたよ。
それでもやっぱり「テレビでやれよ」とは思いますが(笑)

いつになるのかわかりませんがシーズン4の放送も今から楽しみです。

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